人気ブログランキング | 話題のタグを見る

Awabi ware 界隈  ー陶芸家の日々のことー

awabiware.exblog.jp
ブログトップ
2013年 12月 29日

淡路島在住アトレウス家

アトレウス家とは、ギリシャ悲劇にでてくる家族です。
殺したり殺されたり、本当に、かなり悲劇を背負った家族なのです。
その家族が、なんと淡路島に100年の間住んでいた!という設定でした。

公演と言っても舞台はありません。演者の方は、最初のプロローグの時に5分程出てくるだけで、
あと観客の方は取り残されます。
そこからは、電話番号のヒントが書かれた紙と、携帯電話を握りしめて、
アトレウスと接触する(出会う)旅(物語)に出かけます。
淡路島在住アトレウス家_c0286706_2253520.jpg

あわび校内の様々な場所(10カ所位)に設置された
電話ボックス「アトレウス テレフォン」に書かれている番号に電話をかけると、
この100年間のどこかの時点の、アトレウスの家族の誰かに電話が繋がります。
そう!現在、過去、未来に生活する、アトレウス家の誰かとお話できるのです。

淡路島在住アトレウス家_c0286706_22564917.jpg

(中央の段ボールが電話ボックス ちなみに段ボールは全て淡路島特産品系。 玉ねぎ、とか。)

10カ所の電話をかけ終え、最後にかける電話番号にかけて、この物語は一応終わります。

一応、というのも一般的な演劇の公演とは少し違っていて、
公演自体を楽しんで、そこで「あー楽しかった」で終わり、というのではなくて、余韻があるのです。

きつねにつままれたような、物語の中に迷い込んでしまったような不思議な感覚や、
なんともいえない、そこはかとない感じの余韻が、終わってしばらくありました。

この公演のドラマトゥルク(こういう役職あるのですって。難しくて説明できないけど、かっこいいですね)
の長島確さん、COOLです! すごいなあ・・・!と感じ入りました。
声も素敵だし。日本のドラマトゥルクとして、各地でひっぱりだこみたいです。

アトレウス家もこの仕組みは初の試みだったようで、
すごく面白いのですが、あまりにも一般的な公演とは違うので
お客様の中には戸惑われた方もいらっしゃったかと思いますが、
余韻を楽しんでくださったとしたら嬉しいです。



最後に、神戸新聞に載せて頂いた記事より、長島確さんの言葉。


「しんどいことが多い世の中でも、無事に過ごせた一日がある。
 それが穏やかさだと思う。」


「災害や戦争は起こるが、穏やかな生活も訪れる。」



淡路島在住アトレウス家_c0286706_22504711.jpg


淡路島在住アトレウス家_c0286706_225052100.jpg

アトレウス家の皆様、ご来場の皆様、どうもありがとうございました。 

by awabiware | 2013-12-29 22:57 | 展覧会「穏やかな家」


<< 緑米収穫      「穏やかな家」 Closed。 >>